健康への効果

腫瘍組織および肥満脂肪組織における低用量リポ多糖で活性化された単球/マクロファージの有用性

執筆者名:TERUKO HONDA and HIROYUKI INAGAWA 論文名:Usefulness of Monocytes/macrophages Activated With Low-dose Lipopolysaccharide in Tumor Tissue and Adipose Tissue of Obesity 雑誌名:Anticancer research 発行年,巻号:ページ: 2019, 39: 4475-4588. 総説 URL:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31366552

腫瘍組織および肥満脂肪組織における低用量リポ多糖で活性化された単球/マクロファージの有用性

概要:慢性炎症は、がん、生活習慣病、および自己免疫疾患の発症に関与している。また、これらの疾患の重症度にも影響する。腫瘍組織および肥満者の脂肪組織に集積するマクロファージは、炎症性サイトカインの発現を増加させ、それにより、これらの組織の炎症の質を変化させることが示されている。マクロファージの表現型は、組織の炎症性変化に重要であると考えられている。最近、低用量リポ多糖(LPS)で活性化された単球/マクロファージは、MCP-1(単球走化性タンパク質)および炎症性サイトカイン(IL-1β、IL-8、腫瘍壊死因子(TNF)-α)、ケモカイン(走化性因子)関連因子の発現増加を抑制することにより、マクロファージの組織への移動を抑制し、これらの組織の炎症を調節すると考えられる。

結論:単球/マクロファージは免疫システムにおいて重要な役割を担っているが、組織環境によって多様な組織特性をもつマクロファージに分化する。低用量LPSで活性化された単球/マクロファージの効果は、高用量LPSで活性化されたマクロファージの効果とは異なる。このメカニズムに関連して、低用量LPSで単球/マクロファージを活性化すると転写因子のRelBが高濃度とは異なる制御を示すことが報告されている。以上のことから、低濃度LPS治療は慢性炎症を予防することによって、がん、生活習慣病、および自己免疫疾患の発症予防に有効示す可能性が考えられた。

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