健康への効果

生活習慣病に対するLPS経口投与における予防効果について

執筆者名:RAN ZHANG;HIROYUKI INAGAWA;SACHIKO UCHIBORI;TSUTOMU MASAKI;HIDEKI KOBARA and GEN-ICHIRO SOMA 論文名:Preventive Effect of Oral Administration of Pantoea agglomerans-derived LPS in a Hypertensive Rat Model Upon Salt Loading 雑誌名:Anticancer research 発行年,巻号:ページ: 2019, 39: 4503-4509. URL:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31366552

食塩摂取高血圧モデルラットへのパントエア菌LPS経口摂取による予防効果

背景/目的:Pantoea agglomerans由来のリポ多糖(LPSp)の経口投与は、さまざまな生活習慣病の予防効果があると報告されているが、高血圧に対する効果は知られていない。今回、生活習慣病の一種である高血圧の予防効果を検討した。

方法:自然発症高血圧ラット(SHR)と対照正常ラット(WKY)は、6〜16週齢で飼育された。 SHRラットには100μg/ kg LPSp、または0.1%食塩水、もしくはその混合物を飲水摂取させた。WKYラットは水を与えた。それぞれ、6、10、13、および16週目に血圧を測定した。さらに、16週齢で採血し、血液生化学マーカーを測定した。また、糞便の腸内フローラを分析した。

結果:SHRラットは年齢とともに血圧が高くなったが、WKYラットの血圧は変化が見られなかった。また、SHRラットへの食塩負荷は高血圧症状を悪化させた。 LPSpを自由摂取したSHRは血圧の低下はほとんど見られなかったが、食塩負荷のSHRラットにおいて13〜16週齢で血圧抑制が観察された。

結論:LPSpの経口投与は、食塩負荷による高血圧に対する予防効果を示した。

論文

LPS(リポポリサッカライド)とは

LPSは、全身のあらゆるところに存在する免疫細胞「マクロファージ」の働きを高め、 ...

敏感肌に対するリポポリサッカライドの有効性~バリア機能の改善~

背景/目的:
グラム陰性細菌成分であるリポポリサッカライド(LPS)の継 ...

パントエア菌 LPS 経口投与による糖尿病型認知機能障害の予防について

低濃度反復LPS刺激による神経保護性ミクログリアの誘導について

背景/目的:
老化促進マウスにリポポリサッカライド(LPS)を経口摂取さ ...

小麦パントエア菌由来LPS(Somacy-FP100)の安全性について

背景/目的:
Pantoea agglomeransはグラム陰性菌で環境 ...

生活習慣病に対するLPS経口投与における予防効果について

背景/目的:Pantoea agglomerans由来のリポ多糖(LPSp)の経 ...

腫瘍組織および肥満脂肪組織における低用量リポ多糖で活性化された単球/マクロファージの有用性

概要:慢性炎症は、がん、生活習慣病、および自己免疫疾患の発症に関与している。また ...

酢酸菌の経口投与による花粉アレルギー抑制効果

背景/目的:Gluconacetobacter hansenii(G. hans ...

軽度アトピー性皮膚炎患者におけるリポ多糖含有保湿クリームの効果

背景/目的:近年、先進国においてアトピー性皮膚炎(AD)の患者数が増加している。 ...

長期化した創傷治癒の改善について

背景/目的:リポ多糖(LPS)の創傷治癒効果は、異物の除去、抗炎症機能、および組 ...