健康とLPS

インフルエンザ等の呼吸器系感染の予防とLPS

LPSの摂取は、インフルエンザウイルスの不活化に効果があり、その他呼吸器系感染の予防にも効果が期待されています

LPSは、インフルエンザAウイルスを不活化させることがわかっています。(*1)
不活化とはつまり細菌を死滅させ、感染力を失わせることを意味します。
また、LPSがインフルエンザウイルスを不活化する効果は、37℃以上で顕著になります。これは温度が高くなることによって、LPS結合部位が露出されるように、ウイルスの構造が変わるからではないかと考えられています。
Bandoroらの論文では、LPSとインフルエンザH1N1 PR8ウイルスを37℃でインキュベートすると、ウイルスの形態が顕著に変わることが示されています。
論文にて著者らは、本知見が呼吸器系感染の予防や治療の開発につながることを示唆しています。

(*1)Bandoro, Christopher, and Jonathan A. Runstadler.
"Bacterial lipopolysaccharide destabilizes influenza viruses." MSphere 2.5 (2017): e00267-17.



※下図:LPSはウイルス外膜に結合し変形させる
オープンジャーナル文献のFig5から抜粋
水(コントロール)またはLPSのいずれかを、37°Cで1時間インキュベートした後のH1N1 PR8の透過型電子顕微鏡写真。
4,800および49,000の倍率で撮影。黒矢印はLPS、白枠で囲んだ黒矢印はウイルス外膜。
黒バー:1 mm、白バー:100 nm。

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