
LPS(リポポリサッカライド)とは
About LPS
LPSは日本語では「糖脂質」。英語では「Lipopolysaccharide(リポポリサッカライド)」、略してLPSと呼ばれます。
LPSは自然の中の土や木、植物や食品、空気中に存在している、グラム陰性細菌の細胞壁の一番外側に埋め込まれている物質で、
現在は、健康の維持や美肌効果など様々な働きが解明されています。
LPSの特徴
Features
LPSは、免疫力に働きかけ
肌・髪・体に、健やかさと若々しさをもたらします
LPSは、全身のあらゆるところに存在する免疫細胞「マクロファージ」の働きを高め、免疫力を上げることが分かっています。 免疫力が上がることで、感染症や生活習慣病の予防はもちろんのこと、老化した肌機能の改善によるアンチエイジング効果、さらには薬に頼らざるを得なかった病気の改善まで、さまざまな効果が明らかになっています。

美肌・
アトピー改善

育毛

メタボ予防

花粉症対策

認知症予防

感染症予防

がん・
糖尿病予防

LPSは、自然豊かな環境に広く存在する
菌成分の一部です
LPSは、もともと土壌などに含まれる細菌の一部で、田畑や森林など自然の野山に多く存在している成分です。古くから人々の生活に身近でしたが、近年の都会化された生活により、摂取量が減少。アレルギー症状などの増加の一因であると判明しています。


LPSは、全身いたるところにある免疫細胞を
活性化することで老化を抑制します
身体を若々しく保つカギを握るのが免疫細胞「マクロファージ」です。マクロファージは全身のあらゆるところに存在し、体内に侵入した病原菌やウイルス、死んだ細胞など身体に不要なものを食べるように処理してくれるいわば体の頼れる掃除屋さん。
人間にうまれつき備わる「自然免疫」を担い、全身で活躍する免疫細胞群です。
マクロファージが元気でこそ、身体はもちろん、皮膚や髪も本来の健やかな状態が保たれます。


新着研究トピックス
Topics
LPSおよびマクロファージに関係する新着研究トピックスを掲載。

Oral and transdermal administration of lipopolysaccharide safely enhances self-healing ability through the macrophage network
Frontiers in Immunology, |
https://doi.org/10.3389/fimmu.2025.1563484 (2025)
LPSの経口・経皮投与が、免疫細胞であるマクロファージのネットワークを活発化し、それによって私たちの身体が健康に維持されていることを解説した総説です。

Lipopolysaccharide Derived from Pantoea agglomerans Directly Promotes the Migration of Human Keratinocytes
In Vivo. 38(5): 2172-2178 |
https://doi.org/10.21873/invivo.13680 (2024)
LPSによって、表皮細胞であるケラチノサイトの動きを促進します。このことは皮膚の傷を早く治してくれることにつながります。

Restoration of Spatial Learning Through Oral Administration of Lipopolysaccharides in Diabetes-related Cognitive Dysfunction
In Vivo. 38(5): 2190-2196 |
https://doi.org/10.21873/invivo.13682 (2024)
LPSの経口投与によって、認知症の発症を予防することがわかっています。この研究では、さらに認知症の改善(治療)効果が示唆されています。
LPS研究開発の歴史
History
LPSは現在に至るまでに
様々な人体に有用な働きが解明されています。
LPSの機能性の発見は四半世紀以上も前に遡ります。
1982年より自然免疫に着目した研究を行っていた東京大学名誉教授 水野傅一博士らは、1988年にマクロファージを活性化する物質を小麦粉の洗浄液中から発見します。そして、その後の調べで、マクロファージを活性化する物質は小麦成分そのものではなく、小麦に共生しているグラム陰性細菌に由来する糖脂質(LPS)であることがわかりました。
そもそもグラム陰性細菌のLPSは、100年以上前から細菌学者の研究対象の一つとなっていましたが、その頃は内毒素ともよばれ、菌の病原因子、および免疫刺激因子として認識されていました。
水野氏らの発見により、LPSに対する概念は大きく変貌し、LPSは現在に至るまでに様々な人体に有用な働きが解明されています。
1992年には水野氏らによってLPSがアトピー性皮膚炎や高脂血症の改善、胃潰瘍予防、LDLコレステロールの低下等、LPSの効果についての研究論文が発表されたほか、1997年にはチャールズ・ジェニュウェイ博士(米国)がLPS受容体を哺乳類で発見。LPSは今もなお世界で研究とヘルスケア分野での応用開発が進んでいます。

- 1982
-
免疫機能の研究スタート
東京大学名誉教授 水野傳一博士らにより、マクロファージの制御に的を絞った健康維持についての研究がスタート
- 1988
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LPSを発見
小麦の水洗浄液からマクロファージ活性化作用のある物質を発見。その物質がLPSであることが判明
- 1992
-
水野傳一博士が論文を発表
アトピー性皮膚炎や高脂血症の改善、胃潰瘍予防、LDLコレステロールの低下等、LPSの効果について研究結果を論文発表
- 1998
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TLR4がLPSを認識するレセプターであることを発見
ブルース・ボイトラー博士らが、TLR4がLPSを認識するレセプターであることを発見(→2011年ノーベル生理学・医学賞)
- 2006
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国内にてLPSの量産化がスタート
自然免疫応用技研、行政や各種研究所、NPO法人、企業等、産官学の連携によりパントエア菌LPSの量産化がスタート
- 2010
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経済産業省認可の自然免疫制御技術研究組合が設立
LPSの有用性を研究するための組織として、経済産業省認可の自然免疫制御技術研究組合が設立
- 2021
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パントエア菌LPS原料が米国にて自己認証GRASを取得
パントエア菌LPS原料が、米国の食品安全性に関する認証制度であるGRAS (Generally Recognized As Safe:一般に安全とみなされている)認証を取得
- 2022
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パントエア菌LPS原料が米国にてNDIとして承認
パントエア菌LPS原料について、米国内で販売されるサプリメントに配合する新規原料としてのNDI(New Dietary Ingredient:新規ダイエタリー原料)届出をFDAが承認